普段の生活の中で戸籍を見ることはなかなかないと思うのですが、相続が発生したり郊外で住宅を建てる場合など家族のルーツを調べる必要がある際に、戸籍から自分の存在が消えていることに気付いて驚いたことはないでしょうか?
実はこれは役所のミスではありません。むしろ結構な割合で起こり得ることなんです。
でもご安心ください。結論から申し上げると何ら心配することでもありませんし、ちゃんと確認する方法もあります。
今回はなぜ戸籍から消えていることがあるのか?そして、消えていた場合に家族関係をどのように確認したらよいのか?について解説していきたいと思います。
原因は戸籍データのコンピューター化!?
現在の戸籍を取り寄せると、パソコンで作成されたような印字のもの交付されることはご存じだと思いますが、印字の戸籍が交付されるようになったのは割と最近のことで、それまでは手書きのものでした。
各自治体で異なるのですが、だいたい平成10年~平成15年の間に全国の市町村で新様式(コンピューター化)へ移行されました。このとき、すでに婚姻などで除籍していた場合にその内容が新様式に引き継がれていません。
多くの場合、これが戸籍にあるべき記載がない原因です。
よって、一定の時期にすでに婚姻等で除籍されていたことが原因となると、ある一定の年齢層より上の方に起こりやすい事案であると言えます。
では、実際に記載が消えてしまっていた場合どのように家族つながりを確認したらよいのでしょうか?
改製原戸籍を請求しよう!
改製原戸籍とは、コンピューター化される前の手書きの戸籍の写しのことです。正式には「カイセイゲンコセキ」というらしいのですが、実務上では「カイセイハラコセキ」や「ハラコセキ」と言われることの方が多いです。
改製原戸籍は通常の戸籍と同様に各市町村の窓口で請求(郵送請求もOK)することができます。現在の戸籍に記載がない場合は、この改製原戸籍を確認すれば解決することがほとんどです。
改正原戸籍は必要最小限にするのがお勧め
改製原戸籍は交付手数料が通常の戸籍の2倍程度するのが一般的です。したがって、相続手続など過去に遡って調べるために必要な場合のみ請求するのがお勧めです。
実務上では、まず通常の戸籍を確認して、情報が足りない場合に限って改製原戸籍を請求するようにしています。
解読が困難な場合もある!?
相続手続においては、出生まで戸籍をたどる必要があるのですが、高齢の方の場合だと大正や明治のものまで遡ることもあります。
中には筆で書かれたものもありますし、何度も手書きで修正されたものもあって、解読ができないという困ったケースもあるのですが、これは頑張って解読するしかありません。
解読が難しいケースとして、〇〇郡など現在は使われていない地名が極めて達筆で書かれていることがあります。役所の方は地名の遍歴を知っていますので、もし解読ができないときは役所の窓口に相談してみてください。
まとめ
いかがでしょうか?
本来あるべき情報が消えてしまっている原因とその解決法がお分かりいただけたでしょうか?
改製原戸籍は、知っている人から見れば当たり前のものなんですが、おそらくその存在すら知らない方もかなりいらっしゃると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
郵送請求できることは知っているんだけれど・・・
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郵送請求はどなたでもすることができますから、取得代行など不要なのではないか?と思われる方もしらっしゃるかもしれません。
しかし、郵送請求はたとえ地元の自治体であったとしても1週間程度かかったり、定額子為替といった馴染みのないものを手配しなければならないといった手間もあるため、敬遠される方も少なくないようです。
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